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以前,ピーター・バラカンが出演しているTBSのCBSドキュメントで,放映されたレポートで激しく感動した回があります.それは,それは南米ベネズエラが音楽教育を通じて,貧困層の青少年の育成プログラム,エル・システマを長きにわたって実行し,絶大な効果を上げている報道です. 音楽は大好きですが,「音楽は世界を救う」などという空念仏を全く信じておらず,軽々しくその言葉を口にする人を苦々しく思っていました.そんな私に,音楽の力をあらためて信じさせてくれた番組でした. エル・システマの詳細については,ここを参照してもらうとよいと思います. シモン・ボリバル・ユース・オーケストラは,このシステムで育成された青少年の選抜によるものです. 日本における学校のクラブ活動としての,学校オケや吹奏楽,バンドも社会的な意味がゼロだとはいいませんが,エル・システマのようにはっきりとして理念・目的をもって運営された場合の音楽教育の社会的な意義は絶大です. 過去,30年間,ころころかわったベネズエラ政権においても,このプログラムに対する支援額は増えることはあっても減ることはなかったというところに,その効果がみてとれます.(現在の年間予算は65億円) 世界中で,金融危機をきっかけに不況が深刻化し,貧困層への打撃が予想される今,急に思い出しました.「不況時に音楽!,何をバカな」という人たちは多いだろうし,今この瞬間に金銭的な支援が必要な人がいることもわかります.でも,お金をバラまくことでは,人は一瞬しか救われないことを,肝に銘じるべきです. ある意味,混乱した現在の日本をつくった人気首相,小泉元首相が政権をとった最初のころに,国民に「痛み」を求めて,口にした「米百俵」の実際の挿話は,まさにエル・システマと同じものだったことは象徴的だと思います. 小泉発言当時の日本では,「米百俵」を,単なる「迂回生産の利益」としてしか理解していなかったという思いがあります.(誰も,長岡藩の小林虎三郎の精神を信じてはいなかった) |
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