テーマ:数学

新井紀子・新井敏康著「計算とは何か」を読みました

新井紀子・新井敏康著「計算とは何か」を読みました. この本は,昔からよくある「日常での四則演算を速くするテクニックを教えます」的なハウツー本では,ありません.どちらかというと人間が数(もっと広く言えば数学的な対象)と計算ということを通じて,どのように付き合ってきたかを丁寧に解説したものです. 著者によれば,算数・数学で登場す…
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すばらしい偽物:メルセンヌ・ツイスター

たまには数学のことも書こうと思います.今日の題材は乱数です.乱数というのは,何が出るかわからない数と書きたいところなんですが,考えることは,意外に難しいです. 例えば,私がある人に「0.378930002581203482174は乱数ですよ」と話しかけても,100人中100人が???状態だと思います. なぜならば,一つには乱…
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情報理論再訪

ここのところ村田昇「新版 情報理論の基礎」(サイエンス社)を電車の中でつらつらよんだりしています. 情報にからんでブログでもこれまで何回か書いてきました.情報の量を測ることを始めた最初の人,シャノンなんかの本にもふれました. シャノンは情報を確率概念を媒介にして,情報とは不確実性を減少させるものであると考え,減少分を測定する…
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伊藤清「確率論と私」を読みました

以前新聞の書評欄で取り上げられていた伊藤清著「確率論と私」(岩波書店)を読みました.著者は,20世紀を代表する数学者で世界的な数学賞に何度も輝いた,ある意味歴史上の人物です.研究の内容がブラック・ショールズの公式をはじめとする金融工学の基礎となったことから「ウォール街で最も有名な日本人」とも言われます. もちろん著者本人は純粋な数…
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2010年フィールズ賞

4年に一度与えられるフィールズ賞の発表式が先日,インドでありました.40歳以下,4名以内ということもあり,非常に名誉のある賞です. 今年の受賞者は,日本数学会のほうの記事をみてもらうとよいですが,さすがに,受賞対象の業績については最先端の数学なので,さっぱりわかりません. フィールズ賞は,若手・中堅世代の数学者のトップの業績…
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否定的なこと

最近,身の回りでトラブルがあって落ち込んでました.まあ,深刻といえば深刻,そうでないといえばそうでないといったトラブルです. なんとかなった部分と,なんともならなかった部分,これからどう転ぶか不明な部分を経験しました.で,いろいろ思うことがありました.今日書くのはその一つです.(「持つもの,積み上げたものにこだわる?」というテーマ…
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数学書が復刊ブーム?

最近,大型書店の理工系の棚を眺めていて気がついたのですが,復刊と銘打たれた本が目につきます.共立出版や日本評論社なんかが,かつてのシリーズをシリーズごと復刊しているように思えます. 共立出版だけで,これだけの本がリストにのっかってます.リストの先頭の竹内・八杉「証明論入門」なんてまさに名著の誉れが高いものですね.(入門なんて書いて…
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コンピュータの進歩とデータの解析

最近,デイヴィッド・サルツブルグ著「統計学を開いた異才たち」(日本経済新聞社)を読みました.日経ビジネス人文庫の一冊で軽い読み物として書かれたものですが,いろいろ教えられることがありました. ここでは堅いことは抜きに,二つほど印象に残ったことを取り上げます.ともにコンピュータに関することです. 統計学はデータを扱う学問です.…
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ものの見方: 解析をキーワードに

ものごとを理解するということは人間心理の問題だとするとおかしなことになります.単に主観的に,「私は,わかっています」,「それ,完璧に理解!」とかで,理解しているかどうかは判定できません.考えてみると,古今東西「私は,世界の真理を見つけた.ありとあらゆることが理解できる」と主張した輩は,枚挙の暇がありません. さて,小学校の算数とか…
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リーマン予想は面白いらしい(続)

今年は,コタツに入り込むこともなく,元旦から神社でのお参りのハシゴ状態で,移動の電車でしか読めないのですが,先日のブログで紹介した本,黒川重信・小山信也「リーマン予想のこれまでとこれから」(日本評論社)が,とても面白いです. 数論関係はまったくうといし,期待してなかったのですが,とてもよく書かれています.リーマン予想の研究史150…
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リーマン予想は面白いらしい

毎年年末年始は,理工系から人文社会系の古典に関する本を買ってきて,コタツに入ってミカンを食べながら読むのを楽しみにしています. 今年は,丸善の「理科年表」(久々の購入です)と,黒川重信・小山信也「リーマン予想のこれまでとこれから」(日本評論社)を仕入れました. 理科年表は,物理・化学・地学・生物に関する先端というよりも確定的…
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必要ならば数学も・・・すごいな坂口亮さん

NHKのクローズアップ現代で,アメリカの映画業界でSFX技術者としてトップクラスの活躍をする坂口亮さんを紹介していました. 坂口さんは,日本の大学の文系学部を卒業後,日本ではなくアメリカのSFX製作会社に就職.雑用から10年もたたずに,大手SFX会社のトップクリエーターとなりアカデミー科学技術賞をとるまでになりました. 水の…
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情報とは何か

この問に対して,古今の研究者が真剣に答えようとしてきました.ウィーナー,シャノン,コルモゴロフ,渡辺慧・・・・ その一方で,情報という言葉は,あまりに日常生活に密着しているために,人々がその意味を真剣に考える ことはありません.(ヒマ人はそんなにたくさんはいませんから.) モデルについて考えた先日のブログ記事もそうでしたが…
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対角線論法について

数学の本を読んでいると,対角線論法がいたるところに出てきます.先日挙げた伊藤清「確率論」(岩波書店)にも当然何箇所か出てきます. よく使う人にとっては,自然なことなのですが,人に教えるときには,次のような例を考えるといいように思いました. 0か1を要素とする,2×2行列を考えてます.0の否定は1, 1の否定は0と約束します.…
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ステューデントのt分布の特徴づけ

最近,手に入れた本で,C.M.ビショップ「パターン認識と機械学習」(上下) (シュプリンガー・ジャパン)は,非常に刺激的です. この本には,伝統的な統計学の教科書による記述を超越した,すばらしい視点での説明がいくつも見つかります.ステューデントのt分布の特徴づけも,その一つです. 正規分布は,平均と分散で特徴付けられます.こ…
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美しい女性には多様体がよく似合う

地下鉄南北線に乗ったら運よく座れました.そこで,数日前紹介した悲運のバンドBadfingerをiPodで聴いてました.数駅して,目の前に立っていた妙齢の女性(古い言い方!)が空いた私の横の席に座りました. その女性は,座るなりバッグから「数学のたのしみ-多様体と親しむ」というムック本を取り出し,楽しそうに読み始めました. ち…
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思いつくことと理解すること

年始・年末,いろいろ本を読んでいて思ったことは,人に先んじて新しいことを思いつくことと,すでに広く知られていることを理解すること,この2つのギャップが大きいということです. 例えば,という関数の微分をしなさいと言われたら,あるレベル以上の微分を学んだ人は大抵できるでしょうし,その中で,微分の定義を書いて意味を解説しなさいと言われて…
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性懲りもなく相対性理論

知り合いの大学の数学の先生に,「特殊相対性理論は分った気になれるんですが,一般相対性理論はさっぱりなんで.何かスラスラ理解するための妙案はないですか?」と訊ねたことがあります.すると・・・・ 「多様体はいいとして,その上のテンソルがいっぱい出てきて,私は嫌い.」というそっけない,お言葉.妙案どころか,そんな話を自分に振ってくれるな…
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方程式について: 小学生から数学者まで(2)

「方程式を解く」ということが,変質することのが代数学の基本定理あたりでしょうか.この定理は,「任意の代数方程式, は必ず解をもつ」というものです. 解が1つ, があれば,あとは が次の多項式になりますから,逐次基本定理を適用すると,代数学の基本定理は,「任意の代数方程式は次数に等しい数の解(重解含む)をもつ」という主張でもあ…
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方程式について: 小学生から数学者まで(1)

上の子が行っている塾の算数や理科の問題には,方程式を作って解いた方が楽だと思うものが結構あります.しかし,普通は方程式を使うようには,学校はおろか塾でも指導されません.(正確には,塾では,方程式といわず使ったりするのですが) 小学校で方程式を教えないのは,代数という数学の範囲のところが,指導要領に入らないからかもしれませんが,ツル…
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ヒルベルトの「幾何学基礎論」を読んで

「理念なんかなければ,病院なんかやめてしまえばいいんです」,温厚な顔で,こう言い放ったのは,堺常雄氏(聖隷浜松病院・院長)です.この発言は,テレビ東京で放映されている作家村上龍が司会,小池栄子がアシスタントをつとめる経済トーク番組「カンブリア宮殿」で行われました. 聖隷浜松病院は,いわゆる「たらい回し」が横行する日本医療の中で,信…
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解析学の感覚

知り合いから大分前にいただいた,昨年の6月号の雑誌「数学セミナー」をぱらぱらめくっていたら,極限の基礎的なことが出ていました.おもしろかったのは, 扇形の面積の話です.扇形の面積は?と聞かれるとき,半径と扇の角度が与えられている文脈で語られます.つまり扇形が面積である円の何分の1かを角度から求めるという形の問題設定です. 角…
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数学記号の読み方

ベクトル解析に頻繁に現われる記号でがあります.これは,ナブラとよみます.n次元直交基底があるときの微分作用素です. この記号を最初に導入したのは,Hamilton(1805-65)らしいですがMaxwellの親友Teit(1831-1901)の助手でオリエント言語学者Robertson Smith(1846-94)がアッシリアの竪…
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人間の耳はウェーブレット解析をしている?

ドブシーが書いた,有名な本「ウェーブレット10講」の第1章におもしろいことが書いてあります.人間が音を知覚する,最初の段階の仕組みは,ウェーブレット変換そのものだという記述です. 音は 1. 鼓膜 2. つち骨・きぬた骨・あぶみ骨の三耳小骨 (拡大される) 3.内耳の前庭窓の膜 4. 蝸牛 内部を満たすリンパ液 5.蝸牛…
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いろいろなartists

学問・芸術、一芸に秀でた人は、すばらしいパフォーマンスを発揮するわけですが、大きく分けて二つのタイプがあるように思います。一つは、自分が活躍する土俵の中で質の高いパフォーマンスを発揮する人。 もう一つは、自分が活躍する土俵を大きく変えてしまい、後世の人への強い影響をもつ人です。後者の、土俵を変えてしまう人にも、意識的にそ…
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ウェーブレット解析が身近に思えてきました

最近,ずっと気になっていたけれども,必要性がイマイチだったのできちんと勉強してこなかった,それで理解が中途半端だった,ウェーブレット解析を勉強してみようとして,いくつか本を読み始めました.(何度目のことでしょうか.ウェーブレットに関しては) 既存のフーリエ解析の弱点を画期的に改善した解析,ウェーブレット基底が複数ある,離散ウェーブ…
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上の子供の授業参観に行ってきました: ホットケーキのケンカしない切り方

授業参観というと,父ちゃんと母ちゃんが,普段着でない格好で登場し,お父様とお母様として学校にやってくる,というイメージを持たれる方がいるとすれば,それは間違いです.授業参観にオメカシをする今どきの親は,よっぽどのお坊ちゃま・お嬢ちゃま学校の場合でしょう. というわけで,このたび上の子供の授業参観に,普段着で学校へ行ったわけですが,…
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数学の理解:森毅『現代の古典解析』

気がつかなかったのですが,かつて日本評論者から出ていた森毅著『現代の古典解析』が筑摩学芸文庫の一冊として出ていました.これは,名著といわれる微分積分の入門書です. 夜中に,深夜までやっている書店の蔦屋にDVDを借りにいったついでに購入しました. スタイルが非常にめずらしい.基本的に,読みきりスタイルで書かれています.つまり,…
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ポアンカレ予想の解決: ペレルマンの論文発表のてんまつ

最近の数学における大きな話題は,100年間解かれることがなかったポアンカレ予想の解決でした.問題設定のわかりやすさ,問題が解決するまでにかかった時間の長さ,問題を解決した人物の現在の状況の特異性,問題を解決した論文の発表方法,問題解決と認められた経緯,どれをとっても話題性抜群でした. 大きな未解決問題の決着で,この30年間,一般庶…
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最近,知ったこと,というかこれまで知らないでいたこと

必要にせまられて,ウェーブレット解析をちゃんと勉強しようと思って,関連の本をいくつか読もうと思って借りたり,買ったりしました.で,勉強しはじめたのですが,やさしすぎる本,つまり解説本とか入門本は,役にたたないわけではないんですが,目的にあわない. ところが,専門家向けの本を手にとってみると,困ってしまいました.たとえばドブシーの「…
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