映画「となり町戦争」を見ました: ついでに原作も読みました

江口洋介主演「となり町戦争」を見ました.日本を舞台にしているようで,架空の日本を舞台にしています.具体的には,地方の町同士が,行政上の都合で戦争をするという話です.映画の方では,あまり明確になっていませんが,その架空の日本では行政単位同士の戦争が認められていているという設定です.

原作は,すばる文学新人賞をとった三崎亜記「となり町戦争」です.この作品は,戦争が日常に溶け込んでいて,人々が強く否定することもない世界を描いています.ある意味,不気味なのですが,管理された戦争を淡々と描いているともいえます.

管理された戦争を描いた話といえば,森博嗣「スカイ・クロラ」シリーズでのキルドレという人造人間に代理戦争を日常的に行なわせる話を思い出します.あの話においても,人類において戦争は不可避,では管理してしまえという発想が前面に出ます.

現実の戦争体験者が高齢化して,周囲に戦争を語り継ぐ人が減ってくると,戦争についての現実感がなくなっって,こうした冷めた架空の視点で戦争が描かれるのかなと思います.

私は,この作品や「スカイ・クロラ」のシリーズの世界が荒唐無稽と言うつもりは全然なくて,戦争が日常化することはありうることだし,その辺りの指摘は面白いと思ったりします.

例えば,アメリカ合衆国なんかは,この100年くらいは戦争レベルで他国から侵略を受けたこともなく,領地が戦場になったこともなく,民間人の直接被害が極端に少なかったと思います.そういう国の戦争って,もしかすると,「となり町戦争」や「スカイ・クロラ」の世界の戦争と似ているのではないかと想像します.

実際,アメリカ人の戦争観は,何かずれていて,現実味がなく,かつ露骨な形での「死の商人」と政府がつるむことに,なんの違和感も感じていない節があります.

ということは,戦争観のグローバル化(=アメリカ化)を描くのがトレンドということかしら.




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