フルートの発表会の曲:ケックランの2本のフルートのためのソナタ

今年の発表会は,先生とフルート二重奏で出ることにしました.曲は,「ケックランの2本のフルートのためのソナタ」です.時間の都合から,2楽章と3楽章をやるつもりです.

ケックランについては,このブログで何回か紹介しました.(たとえば,これとか,これ.)フランス近代の作曲家です.オネゲルやミヨーなんかの5人組の先輩世代にあたります.対位法の大家で,作曲法の本も書いています.

最近,ドイツの方で再評価が急速に進んでいます.「理」が「情」に先行した音楽という部分があるからかもしれません.でも,私が感ずるに,「空気感」というものを重視した音楽のような気がします.

空気感というのも変な言葉ですが,空気というものに対する人間の微妙なかかわりを表したいのでこの言葉を使います.空気は,例えば,酸素とか窒素とかヘリウムとかいった気体としての元素ではなく,その混合物です.

ですから,空気と人間とのかかわりは,高山での薄い空気だったり,鍾乳洞の中のひんやりした空気だったり,砂漠の高熱の乾燥した空気だったり,草原を吹き抜ける風としての空気だったり,さまざまなものです.

私がケックランの音楽から受け取るのは,目に見えない,普段意識せず,それでいて人間に不可欠な「空気」を大切にする繊細さです.

2本のフルートのためのソナタは,分かりにくいメロディが出てきたと思ったら,妙に美しいフレーズがあったりします.しかも,2本のフルートの絡みが単純ではなかったりします.対位法の大家にしてなしうる,美と醜のせめぎあいということでしょうか.

つまり,1枚の絵を描くときに,明るい色だけで輪郭を明確に描けば分かりやすいし一見美しい絵に見えたりしますが,その印象は平板になりかねません.しかし,醜い色彩を配置することで,いっそう美しい色彩が際立つということもあるのです.それと似ています.

さて,空気感に戻りますが,ケックランの2本のフルートのためのソナタは,竹薮のある散歩道を散策しているときの,竹の匂いを含む穏やかな空気,時々吹き抜ける強い風のひんやりとした空気,竹がほとんどなくて開けて太陽光がやさしく降り注ぐあたかな場所の日向の匂いの空気,そうした空気感を2本フルートで表現していると考えています.

譜読みをやっていて,時間的に間に合うなという印象を持っていますが,この手の近代作品は,和声が一筋縄でないので,2本のフルートがきちんとした音程で鳴らないとちっとも美しく聴こえません.ですから,音数が多くて派手に音が動き回るドップラーの曲とは違った難しさがあると思います.




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