リーマン予想は面白いらしい(続)

今年は,コタツに入り込むこともなく,元旦から神社でのお参りのハシゴ状態で,移動の電車でしか読めないのですが,先日のブログで紹介した本,黒川重信・小山信也「リーマン予想のこれまでとこれから」(日本評論社)が,とても面白いです.

数論関係はまったくうといし,期待してなかったのですが,とてもよく書かれています.リーマン予想の研究史150年のうち半分くらいまでで分かったこと(セルバーグあたりまで)を展望した5章までは,ヒルベルトとポリヤによる,が固有値解釈をもつ,という予想に従って,リーマンのオリジナルのゼータ関数でなく,まず類似物である,

(1)合同ゼータ関数
(2)セルバーグ・ゼータ関数


についてのリーマン予想を攻略するという,6章以降の現代的アプローチの解説の序章として明晰な形で書かれています.

数式が多くて丁寧に理論展開してくれる分,数式のフォローが苦でない人にとっては,これ以上分かりやすいリーマン予想の解説本はないと思わせます.

この本の中核ともいえる第III部「リーマン予想とその後」に先立つ,リーマン・ゼータ関数の簡単な類似物としてのZ-力学系のゼータ関数を説明した6章と,その延長のR-力学系のゼータ関数について書いてある7章は,私にとって見通しをよくしてくれる記述でした.この辺りまでならば,線型代数と代数と複素関数論の基礎が頭に入っている人は,何の苦もなく数式展開をフォローできると思います.

合同ゼータ関数について書いてある8章は,かなりハショッた展望なので,私はここで???となったのですが,どちらかというと本の流れとしては,セルバーグ・ゼータ関数の説明がメインなので,9章以降(急に難しくなります)のセルバーグ跡公式とかを,必死にフォローすればなんとか理解できそうだと思っています.

それにしても,ずい分と分かりやすく説明しています.千里の道も一歩からと言いますが,先人が舗装してくれた千里の道を歩くことが,何と簡単なことか・・・ 

舗装された道を気持ちよく歩く私たちは,先人の苦労に思いをはせるべきなんでしょう.

ポアンカレ予想だって,10年経てば,数学科の大学院生が普通に勉強する対象になるでしょうし・・・




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この記事へのコメント

2010年01月09日 14:40
やはり、素晴らしい頭脳をお持ちのようですね。
確かに、三年以上前の中学生が、法学で学ぶ、『インフォームドコンセント』とかの講義を受けています。英語検定2級も取得してる子は、中学一年で取得してるしね。
tai
2014年02月02日 22:18
物理と数学のかきしっぽ

において

リーマン予想の証明に成功

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