丹田に力を入れることの意味

何度もブログで取り上げてきた,「金哲彦のランニング・メソッド」ですが,何度も読むうちに気になることが出てきました.

内容そのものではありません.内容は,ある意味画期的であり,ある意味これまで知られてきた内容を分かりやすくまとめたということでしょう.

体をうまく使うことにおいて,姿勢(骨格の状態)をどうするか,どこに力を入れるか(筋肉の緊張・弛緩)の客観的な記述と,使う本人の意識についての記述は,どうも混乱しがちになるというのが,スポーツ科学,スポーツ理論の本の現状という気がします.

高岡英夫のような優れた実践家にして,すぐれた知性の持ち主にしても,その身体操作理論は,自らの思い込みである,レーザーだのブレードだのいった意識の(何故か横文字の)表現に拘泥するのみで,実践的な教えは,「ゆる」体操のみです.

解剖学的に人間の体を眺めて,ランニング時にどの筋肉がどう動いて,そのときの骨格の動きがこうだということが解明されれば,問題解決かといえば,そうでないのが身体操作の難しいところです.

さて,丹田に力を入れるということの意味ですが,自分が上記の金哲彦本の「タンデン,ケンコウコツ,コツバン」の三つを心で唱えながら(意識しながら)走りなさいということは,とてもよいアドバイスだったことは事実です.

でも,丹田という解剖学的に存在しない部位を意識しろというのは,あまり適切でない気もしてきました.結局,本にも書かれている骨盤の前傾ということが,丹田にかかわるすべてではないかと思いだしたからです.

骨盤の前傾+回旋は,できてしまうと,歩いたり走ったりするときに実に効果的です.腕の振りをきっかけとしての,僧帽筋と腹筋の連携がうまくいくと,脚がおもしろいように動きます.ストライドも伸びますし.

ただ,剣道などの上半身のひねりと骨盤の回旋が連動する動きを嫌うスポーツでも,丹田への意識の集中は当然のこととされ,本質はやはり骨盤の前傾であるようです.もしかすると,骨盤の回旋とともに肩甲骨の可動域と関係があるのかしらとも思います.あとは,呼吸でしょうか.

竹刀操作では,肩甲骨への意識は非常に重要ですから.

身体操作を意識することで,フルートやスカッシュ,剣道の実践でよかったことは多いのですが,それにしても人間の体というのは複雑で,理屈で割り切ることはできないものだなあと思う,毎日です.


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  • 丹田に力を入れることの意味(2): 骨盤前傾をめぐって

    Excerpt: 丹田に力を入れることイコール骨盤前傾と,割り切ってみたらどうかと,ブログに書いたのですが,世の中いろいろで骨盤前傾についていろいろ考え方があるようです. Weblog: 学問・芸術が大好き racked: 2008-03-20 08:56
  • 丹田に力を入れることの意味(3)

    Excerpt: 以前,このブログで,丹田に力を入れることの意味として,骨盤の前傾として割り切ったらどうかということを書きました. Weblog: 学問・芸術が大好き racked: 2008-04-10 15:33